自然のぬくもりを感じる抹茶色。
やさしく穏やかな印象を持ち、どこか懐かしさを感じさせてくれる不思議な色です。
和風の雰囲気を演出したいときや、落ち着いた空間づくりをしたいときにぴったりなカラーとして、多くの人に支持されています。
ナチュラルで上品な抹茶色は、ファッション・アート・デザインの世界でも幅広く使われています。
和モダンなイメージを取り入れたいときや、自然と調和する色味を探しているときにもおすすめです。
この記事では、初心者の方にもわかりやすく抹茶色の作り方を丁寧に解説。
水彩や色鉛筆、レジンなど、様々なシーンで活用できる抹茶色の表現方法を幅広く紹介していきます。
さらに、混色のポイントや色の深みを出すコツ、よくある失敗例の対処法など、実践的なヒントも満載。
あなたの創作活動がもっと楽しくなるように、抹茶色の魅力を余すことなくお届けします。
抹茶色の魅力とその基本
抹茶色とは？その魅力を解説
抹茶色とは、深みのある緑がかった茶色のことです。
茶葉をすりつぶしたような落ち着いたトーンが特徴で、見る人にやすらぎと安心感を与えてくれます。
自然や和のイメージを持ち、落ち着きと品を兼ね備えた色味として多くの日本文化の中で使われてきました。
お茶席や和装、伝統工芸など、抹茶色は古くから日本人の暮らしの中に溶け込んでいます。
緑よりも渋みがあり、茶色よりも爽やかな印象を持っています。
そのため、ナチュラルでありながら個性を感じさせる絶妙な色合いとして評価されています。
近年では、自然派志向やサステナブルなライフスタイルを象徴するカラーとしても注目されています。
抹茶色の使い方：デザインの参考
・和風のイラストやグラフィック
・カフェや和菓子をテーマにしたデザイン
・インテリアでのアクセントカラー
・SNSのアイコンや配色バランスの調整
・名刺やポスターなど印刷物での背景色
・パッケージデザインでの使用
抹茶色は他のアースカラーとの相性も良く、ナチュラルなデザインにぴったりです。
また、モノトーンやベージュ系と合わせることで、洗練された印象を演出することも可能です。
抹茶色の基本的なカラーコード
Webデザインなどで使われるカラーコードの例：
- HEX：#7B8D42
- RGB：123, 141, 66
- CMYK：13%, 0%, 53%, 45%
やや黄みのあるくすんだグリーン系が基本とされています。
この色味は、PC画面でも紙面でも自然な発色が得られるため、幅広いメディアで活用されています。
抹茶色の作り方：初心者向けガイド
基本の混色方法：どの色を混ぜる？
初心者におすすめなのが「黄色 + 緑 + 少量の茶色」または「緑 + 少量の赤や茶色」です。
この組み合わせは、自然な深みと穏やかさを兼ね備えた抹茶色を再現するのに最適です。
特に黄色は鮮やかさを、緑は自然の風合いを、茶色は渋みをそれぞれ加えてくれます。
最初は明るめの黄緑からスタートし、そこに徐々に茶色や黒を足していくと、色味を確認しながら調整できるので失敗しにくいです。
混ぜる際は、絵の具の種類や使う道具によって発色に差が出ることがあるので、小さなパレットで少しずつ試すのがおすすめです。
水彩での抹茶色作成法
- 黄緑色をベースに作る。
- 黄土色をほんの少し足して、彩度を落ち着かせる。
- 必要に応じて黒で深みを加え、より落ち着いた印象に仕上げる。
透明感のある水彩絵の具は、色が濁りやすいため、水加減に特に注意が必要です。
筆に残った色が混ざるだけでも印象が変わってしまうので、こまめに筆を洗いながら少量ずつ色を重ねるようにしましょう。
乾くと色味が変わることもあるため、塗った直後だけでなく乾燥後の発色も確認すると、より理想の抹茶色に近づけられます。
抹茶色を作るための色鉛筆の選び方
抹茶色が単体で用意されていない場合、色鉛筆を重ね塗りして近づけるのが効果的です。
以下のような組み合わせがおすすめです。
- オリーブグリーン + マスタードイエロー：くすみ感のある落ち着いた色合いに。
- モスグリーン + 茶色系（バーントアンバーなど）：渋さと奥行きが加わり、自然な風合いを再現可能。
最初に明るめの色で全体を塗り、その上から段階的に暗めの色を加えていくと、より深みのある抹茶色が作れます。
筆圧や塗る方向を変えることで、微妙なニュアンスも表現できます。
レジンでの抹茶色づくり
レジン着色には専用の顔料や液体着色剤を使用します。
透明感を保ちながら抹茶色を作るには、以下の手順が有効です。
- クリアイエローをベースに使用。
- 少量のグリーン顔料を加えて、基本の色味を作る。
- さらにごく少量のブラウンやブラックを加えて、深みと渋さを調整する。
混ぜすぎると透明感が失われて濁ってしまうため、少量ずつ混ぜるのがコツです。
レジンは硬化後に若干色が濃くなる傾向があるため、作業中の色よりやや明るめを意識すると理想的な仕上がりになります。
また、光の透過によって見え方も変わるため、実際に使用する場面の光源を意識して調整しましょう。
抹茶色の深みを引き出すテクニック
明度と彩度の調整方法
・白を加えるとやや明るい抹茶ミルク風に。
淡い抹茶ラテのような優しい色合いになり、柔らかく親しみやすい印象になります。
和菓子の背景や春らしいデザインにぴったりです。
・黒を加えると深い重厚感のある抹茶色になります。
高級感と渋みが加わり、大人っぽい落ち着いたトーンに仕上がります。
濃い抹茶スイーツのような色味になり、重厚感のある背景にも活用できます。
・グレーを加えることで落ち着いたトーンにすることも可能です。
派手さを抑えて、静かな印象を演出できるため、和風デザインやシックなインテリアにもマッチします。
また、モノクロ系との相性も良く、バランスのとれた配色が可能になります。
黒色を使った抹茶色の深みの出し方
黒を少量混ぜるだけで、一気に高級感のある抹茶色に変化します。
ほんのわずかな黒の追加で、色の印象が大きく変わるのが特徴です。
たとえば、緑や茶色の比率を変えずに黒だけを足すことで、夜の森のような神秘的な抹茶色を表現できます。
ただし入れすぎると黒くなりすぎ、濁った印象になってしまうため注意が必要です。
黒を使う際は、筆先やスポイトで1滴ずつ慎重に加えていくのがポイントです。
仕上がりにムラが出ないよう、混ぜる前に少量で試してから全体に加えることをおすすめします。
補色の活用：茶色や黄緑の活用法
色が鮮やかすぎたり、派手に見えてしまう場合は補色を使ってバランスを取るのが効果的です。
補色を加えることで色のトーンを抑え、自然で落ち着いた印象に調整できます。
たとえば、
- 緑が強すぎる → 赤みのある茶色（バーントシェンナやレンガ色）を加えると温かみが出ます。
- 黄色が強すぎる → 青みを少し足すことで中和し、落ち着いたオリーブグリーン風に整えられます。
抹茶色のニュアンスを微調整したいときや、既存の色に違和感を覚えたときに非常に有効なテクニックです。
上級者向け：抹茶色を極める
ミニチュア塗装における抹茶色の応用
ミニチュア模型では、エイジング表現として抹茶色が活用されることがあります。
特に和風の世界観を表現するうえで、抹茶色は非常に重宝されます。
苔の生えた石垣や、長年風雨にさらされた木造の柱、くすんだ屋根瓦など、経年変化を表現するには最適な色味です。
苔や草、古びた和風建築の表現などにぴったりの色です。
このような自然の風合いを再現する際、抹茶色をベースに他のくすんだ色を重ねることで、よりリアルな仕上がりになります。
グラデーションやドライブラシなどの技法と組み合わせるとリアルな表現が可能になります。
さらに、ウェザリングやウォッシュといった手法と組み合わせれば、時間の経過による色の褪せや湿気による変化まで表現でき、作品の説得力がぐっと高まります。
アート作品での抹茶色の表現方法
アートでは、抹茶色は感情の落ち着きや自然との調和を表現する際に使われます。
水彩やアクリル絵の具で層を重ねることで、抹茶色の深みや透明感を再現できます。
特に水彩の場合は、一度で仕上げるのではなく、薄く塗って乾かしてから再度色を重ねていくことで、光を内包したようなやさしい抹茶色に仕上げることができます。
アクリルでは、ジェルメディウムやモデリングペーストを併用することで、抹茶色に質感を加えることも可能です。
キャンバスや和紙など、描く素材によっても発色が変わるので、作品の雰囲気に合わせて選びましょう。
抹茶色を使ったデザインの実例
・和風のパッケージデザイン（お茶、和菓子など）
・抹茶をテーマにしたWebサイト
・カフェの内装やロゴデザインなど
・和モダンな飲食店のメニューやサインボード
・旅館のパンフレットやポスター
ユーザーに安心感と温もりを与える配色として人気です。
また、視覚的な落ち着きがあるため、強調したい情報や文字と組み合わせても視認性を保ちやすく、バランスの取れたデザインが実現できます。
季節を感じさせる要素として春・秋の色調にもマッチし、通年で使いやすい万能カラーです。
トラブルシューティング：抹茶色作りのひと工夫
思った色が出ない時の原因と対策
・混ぜる順番が逆
→特に暗い色から混ぜてしまうと、抹茶色の柔らかさが失われて濁った色になりやすいです。
・水分量が多すぎる
→特に水彩絵の具の場合、色が薄くなりすぎて発色がぼやけてしまう原因になります。
加える水の量を調整しながら作業することが大切です。
・原色を使いすぎて発色が派手になる
→鮮やかすぎると自然な抹茶色から遠ざかってしまいます。
少しずつ色を加えながら、くすみを意識して調整しましょう。
その他にも、絵の具や色鉛筆の種類によっては、思ったよりも色が強く出る場合があります。
そんな時は、試し塗りを繰り返しながら様子を見ると安心です。
解決策として、
- 色は薄い順に重ねる：明るい色をベースにして段階的に濃い色を加えていくと、自然なグラデーションが生まれます。
- 少量ずつ試して調整する：一度に多くの色を混ぜるのではなく、筆先にほんの少しずつ取りながら調整することで失敗を防げます。
- 試し塗りを別の紙で行う：特に初めての色の組み合わせでは、スウォッチで確認してから本番に取りかかると安心です。
が基本です。
色合いが決まらない時の解決法
・照明の色味に注意
→自然光と蛍光灯では、色の見え方が大きく異なります。
昼間の窓際など、一定の光源で作業するのがおすすめです。
・乾燥後に色が変わることを考慮
→特に水彩やレジンは、乾いた後や硬化後に色が濃くなる傾向があります。
塗ってすぐの印象に惑わされず、少し薄めの色で仕上げるよう意識しましょう。
・塗る素材によって発色が変わる
→紙、布、木材、樹脂など、下地の素材や質感によって同じ色でも見え方が変わります。
作品に使う素材と同じものに試し塗りしてみるのが確実です。
確認用にスウォッチを用意し、乾いた状態で最終確認することをおすすめします。
複数の光源下で見比べたり、違う角度から観察することで、最終的な完成イメージに近づけることができます。
まとめ
抹茶色は、混ぜる色のバランスや明度・彩度の調整によって、驚くほど多彩な表情を見せてくれます。
少し色を変えるだけでも、柔らかい印象から重厚感のある雰囲気まで、幅広いニュアンスを楽しめるのが魅力です。
初心者でも、基本の配色ルールや混色の順番、水加減などのポイントをしっかり押さえることで、美しく品のある抹茶色を作ることができます。
初めはシンプルな組み合わせから挑戦し、徐々に応用技法を取り入れることで、無理なくステップアップできるでしょう。
一方で上級者は、素材や光の加減まで意識して、より奥行きのある表現を目指しましょう。
たとえば、和紙に水彩で描く場合と、アクリルでキャンバスに描く場合では、同じ抹茶色でもまったく異なる印象になります。
重ね塗りや補色調整などのテクニックを駆使すれば、唯一無二の世界観を演出することも可能です。
あなたの作品やデザインに、ぜひ抹茶色を積極的に取り入れてみてください。
色味にこだわることで作品の完成度が高まり、見る人に安心感や癒しを届けられることでしょう。
落ち着きと上品さを演出するこのカラーが、きっと新たな表現の可能性を広げ、あなたの創作活動に深みを与えてくれるはずです。
